ヨーロッパにおける捕鯨は、紀元前3000年頃のノルウェーの壁画に見られるように有史以前から行われていたと考えられる。
専門的な産業としては、10世紀、スペイン北部バスク地方のビスケー湾岸において始まった。捕獲対象は背美(セミ)鯨であったが、
ビスケー湾の背美鯨が乱獲により激減すると、バスク捕鯨は16世紀初頭には北海やアイスランド海域に及んだ。
当時のヨーロッパでの鯨油需要の高まりにより、捕鯨業における主要製品が鯨油となると、バスク捕鯨の鯨油輸出に対抗するため、
17世紀初頭にはイギリスとオランダは、鯨が発見されたスバールバル諸島での捕鯨を開始した。他のヨーロッパ諸国もそれに追従
していった。
ヨーロッパ北洋捕鯨は、沖合にボートで漕ぎ出て突取で鯨を捕獲し、母船の大型帆船に持ち帰り船端で皮身のみをはぎ取り、
基地に持ち帰ってから鯨油へと加工した。
上の2点は、ハンブルグのTh.Wiering社より1683年に出版されたEberhard Werner Happel著、
『 Groste Denckwurdigkeiten der Welt』に収録されたハンブルグの捕鯨業者がスバールバル諸島のスピッツベルゲン島での
氷上捕鯨の姿を描く。挿絵はヨアキム・ウィックマン。縦16.8×27.9cm。(ドイツ ケルン市在住 Klaus Barthelmess クラウス・バーセルメス氏蔵)
下の4点は、ロンドンのエドワード・オーム・ボンド社より1813年に発行された。同社発行の『旅行記』などから捕鯨部分の
カットと解説文からなる。図版左隅にJ.H.クラークの名がみえる。縦20.0×横25.0cm。個人蔵。
参考文献
『くじら取りの系譜』(中園成生 長崎新聞社 2001年)
『MONSTRUM HORRENDUM』(Klaus Barthelmess著 1991年)
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