九州大学 DIGITAL ARCHIVES
■ページ作成■
総合研究博物館協力研究員
西南学院大学☆
宮崎克則
比較社会文化学府博士課程☆
武内さやか
人文科学府修士課程☆
原田愛
(作成2005.3.4)
■ブラウザソフト等の注意点■
対応ブラウザ:
Internet Exploer5.0以上を推奨
しています。
■本ページに掲載する画像の
無断使用は禁止します。■
九州大学デジタルアーカイブ
訓蒙圖彙(キンモウズイ)
kinmou-zui
編者:中村タ斎
巻数:全10巻
出版元:皇都(京都):九皐堂
刊行年:寛政元(1789)年3月
所蔵:九州大学文学部図書掛蔵
「相見文庫」(和本54)
サイズ:23.0×16.0cm
訓蒙圖彙(キンモウズイ)は、江戸時代前期に作られた「絵入り百科事典」である。初版『訓蒙圖彙』は寛文6年(1666)に刊行された。以後、元禄8年(1695)には『頭書増補訓蒙圖彙』、寛政元年(1789)には『頭書増補訓蒙圖彙大成』が、それぞれ大幅な増補改訂を経て刊行されている。増補改訂の過程はこれからの研究を待つところであるが、このような改訂は「それぞれの時代に求められる姿へ装いを改めて行った歴史」(『月刊しにか』2000/3/1「江戸の百科事典を読む」勝又基)という風に捉えることが出来よう。
九州大学が所蔵しているのは寛政元年版に近い形態をしている。
初版『訓蒙圖彙』は序目2巻、本文20巻全14冊である。1頁に上下2図を載せている。和名と漢名、短い注記を付す。画者は不明(一説蒔絵師源三郎)。以後「・・訓蒙」という書名が流行となった。
第2版が寛文8年に刊行されている。1頁に4図が載り、序目・20巻全7冊に改められた。この版がもっとも多く流布した。ケンペル『日本誌』(1727)もこの版から模刻した図を多く載せているという。
ちなみに「訓蒙」とは理にうとい者(婦女子や初学者を指した)を教え諭すという意味である。『西鶴五百韻』(1679)に「重宝な訓蒙圖彙やあけぬらん」が見えるのだが、この書の普及を示す一端である。
元禄8年版、寛政元年版は初版から大きく形態を変えた。元禄8年版は新たな項目を増やし、「元禄時代に応じた啓蒙書」(猪又基)として通俗化した。寛政版は複数の項目を1頁に詰め込んでいる。絵画的な側面もあり美しい。画者は下河辺拾水。
編者の中村タ斎(1629-1702)は江戸時代前期の儒学者である。京都の呉服商の家に生まれた。朱子学を独習し、天文学や尺度量衡にも精通していて音律にも詳しかったという。
下河辺拾水(生没年未詳)は江戸時代の絵師である。京都妙心寺寺門前に住む。西川祐信に近い画風。 宝暦初年(1751)頃から絵本や挿絵を多く書く。武者絵にすぐれていた。